注文住宅はローコストでも大丈夫?
「予算はあまりないけど、注文住宅を建てたい」
そんな人にとってローコスト住宅は魅力的だと思います。
こちらではローコスト住宅が安く建てられる仕組みや、ローコスト住宅を建てる際のポイントや注意点についてまとめました。ぜひ参考にしてください。
ローコスト住宅とは?坪単価はどのくらい?
ローコスト住宅は、低価格で建てられた住宅のことをいいます。
坪単価が40万円程度で、工事総額が2,000万円くらいまでの住宅がそう呼ばれていますが、決まった定義があるわけではありません。中には坪単価20万円という住宅メーカーもあれば、坪単価50万円というところも。ローコストをうたっていれば「ローコスト住宅」ということになるようです。
それでも一般的な住宅の坪単価は60〜80万円くらい、工事総額は2,500〜3,000万円くらいが多いので、ローコスト住宅を選べば価格を抑えて家を建てることができます。
ローコスト住宅はなぜ安いのか
「もしかして粗悪品を使っているの?」
「手抜き工事をされていたらどうしよう」
と心配に思う人もいるかもしれません。
同じ住宅でも、なぜローコストで家を建てられるのでしょうか。
ローコスト住宅が低価格なのは、次のような理由があります。
- ①材料費を抑えている
- 材料を大量に仕入れることで割安に購入して材料費を抑制
- ②広告宣伝費に無駄なお金をかけない
- 総合住宅展示場にモデルハウスを持たず、建築した住宅で見学会を行ったり、大々的なCMなどは流さず、地域限定の宣伝で済ませることで宣伝費を削減
- ③人件費を抑えている
- シンプルな間取りにしたり、部屋数を少なくすることで作業の手間を減らし、人件費を抑制
- ④中間マージンをなくしている
- メーカーから直接仕入れることで中間マージンをカットし、コストを削減
- ⑤建具や設備のグレードを抑えている
- 建具や設備は、生活する上で支障はない程度の標準的な規格に統一することで、仕入れにかかるコストを削減
注文住宅をローコストで建てるときの注意点
先に挙げたローコスト住宅が安い理由は、いざ家を建てたいというときにはデメリットになる可能性があります。
- こだわりを入れると一気にコストアップ
- 材料や設備など、規格を統一し大量に仕入れることでコスト削減しているものは、規格外のものに変更するとコストが一気に上がってしまいます。
「内装は漆喰で、無垢のフローリング」などのこだわりがあると、ローコストではなくなってしまいます。
- 間取りやデザインがシンプル
- 間取りはできるだけ少なく、デザインはシンプルにすることで使用する材料を少なくし、作業の手間も減らしています。
「隠れ家みたいな中2階を作りたい」「アーチ型の入り口を作りたい」などの希望が叶う可能性は低くなります。
- 動線の自由がきかない
- 配管はできるだけコンパクトにまとめてコストダウンするため、浴室やトイレ、洗面、キッチンなどの水回りはできるだけまとめて、道路側に近い場所に作られます。
「憧れのアイランド型キッチンで庭を眺めながら料理を作る」なんて希望も配管の位置で制限されてしまうこともあります。またコンセントの位置や数も決められてしまいます。
- 担当者による手厚いサポートは期待できない
- ローコスト住宅ではほとんどが規格プランの中から選択する形での家づくりとなります。そのため担当者との打ち合わせは必要最低限のものになります。また人件費を抑えるために一人で何件も担当しているため、手厚いサポートはあまり期待できません。
注文住宅をローコストで建てるときのポイント
価格の安さだけに目を奪われてローコスト住宅を選んでしまうと、建ててから後悔することになるかもしれません。
納得のいく注文住宅をローコストで建てるためのポイントをまとめました。
- 価格に大きく影響するものはシンプルに
- 構造や、間取り、屋根、外壁など価格に大きく影響するものはシンプルにすることで全体的な価格を抑えることができます。
- こだわりに優先順位をつける
- あれもこれもと希望をすべて詰め込もうとするとローコストではとても収まりません。
こだわりたい部分は、暮らしやすさを考えて優先順位をつけるといいでしょう。
- ライフスタイルに合わせた設備選びをする
- ローコスト住宅は基本的なプランニングができているので、設備が足りずに生活ができないということはありません。
ただし、家族の年齢層やライフスタイルによっては、照明やコンセントの位置や数など日々の暮らしに影響するものもあります。
- コストダウンにこだわりすぎない
- ローコストとはいえ、住宅を建てるにはそれなりの金額がかかります。
コストダウンばかりを考えて家を建てると、暮らしやすくするための部分も削られ、使い勝手の悪い家になってしまうかもしれません。